散光星雲・・・発光か反射か!?

 Oh! Beautiful And Fine Girl Kiss Me Right Now! Smack! つまりO B A F G K M R N S これって恒星のスペクトル型を温度の高い順にならべたものですね。だから、O型星が一番高温です。ちなみに太陽はG型で表面温度は6000k。夏の日焼けはジリジリくる太陽の紫外線によるもの。最近はオゾンホールなるものが出現して、もっと強力な紫外線を浴びたりすると皮膚ガンになってしまう。この恐い紫外線、温度が高い星ほど強い。だから、O型星の紫外線が一番強力で、星間ガスの原子をも電離させてしまう。でも、電離した原子はもとにもどろうとして発光します。これが、発光星雲であの赤い水素の輝線を放つのであります。代表的な例がオリオン大星雲です。

 一方、星の温度が2~3万度程度より低いと、星間ガスの原子をも電離させてしまうほどの紫外線は出せません。でも、ダストが星の光を反射・散乱して青色の反射星雲となる。代表的な例がすばるの星たちのまわりに見える星雲です。

 発光か反射か・・・その境目は星間ガスの近くにある恒星のスペクトル型がB2~B3あたりとされています。つまり、同じ星間ガスでも星の温度によって、いろんな姿に見えてくることになるわけで、本当の姿はいったいどうなっているの?と思ってしまうのであります。

M42オリオン大星雲の中心部・・・生まれたばかりの4重星トラペジウムのスペクトル型はO6~B3程度。水素原子が電離して発光する、いわゆるHⅡ領域になっている。

M42オリオン大星雲・・・代表的な発光星雲(HⅡ領域)とされる。しかし、青白い反射星雲も見えている。さらに、星間ガスだけでなくダストも豊富で、ダストがシルエットになった暗黒星雲も見えている。

M45すばる・・・星たちのまわりに青い色の反射星雲が見えている。すばるの星たちのスペクトル型はB6~B8程度で、水素原子を電離できるほど高温ではない。そもそも、すばるの近傍には水素は少ないと考えられてはいるが・・・。メローペ星(中央下の星)のまわりの星雲はメローペ星雲と呼ばれる。

メローペ星雲のようす・・・ほうきで掃いたような線状の模様が見える。星雲はすばる誕生とは直接関係がないとされている。すばるが生まれてから、すばると星雲がたまたま出会ったと考えられている。

NGC1977・・・赤い発光星雲(HⅡ領域)と青い反射星雲、そして暗黒星雲が同居している。M42のすぐ北に位置する。赤と青の織りなす姿がなんとも美しい。

 こうしてながめてみると、星雲のようすから逆に星の温度も推察できるということがわかります。星と星雲・・・この微妙な関係は、銀河系世界のようすを私たちに教えてくれます。