火星改造

火星テラフォーミング

 2年2ヶ月ごとに地球に接近する火星、地球に一番近い環境を持つとされる火星、ちょっとこのあいだまで火星人がいるのではないかといわれていた火星、この星からやってきた隕石に生命の痕跡らしきものがみつかって注目された火星・・・さらに、進行し続ける温暖化による地球の環境破壊・・・やがて、人類は将来の夢を火星に託すようになってきたようです。最近では火星を改造して、第2の地球として人類が住めるようにしようというテラフォーミング計画というのもあるんですね。

人類のルーツ

 人類のルーツはどうやらアフリカにあるといわれています。日本人も例外ではないようです。アフリカで生まれた人類は、今や地球上のあらゆる陸地に進出し、まるで地球を支配しているかのようです。でも、人類が誕生した頃と今では地球の大気の組成などはほとんど変わっていないといっていいでしょう。つまり、地球環境はほとんど変わらずにいままですごしてきたというわけです。だから、火星の環境を地球と同じにしてしまえば進出するのも楽でしょう。

火星の改造法

 火星には薄いながら二酸化炭素の大気があります。極冠には二酸化炭素の氷であるドライアイスがたっぷりあります。地下には永久凍土の形で水が存在するともいわれています。だから、簡単です。なんらかの方法でちょっとだけ気温を上げてやればよいわけです。そうすれば、ドライアイスがどんどん二酸化炭素の気体になり、気圧も上がり、温室効果で気温も上昇・・・すると地下に眠っていた氷がとけて水の海が出現、植物をもちこんで海でも陸でも光合成をさせれば酸素もどんどん増加し第2の地球のできあがりというわけです。

人類の夢の実現!?

 いずれ、太陽系外の惑星をめざして旅をしようという人類にとって、火星はかけがえのない星となるでしょう。人類の第2の故郷になっているのでしょう。でも、一つだけ注意しておかなくてはならないことがあります。それは、なぜ火星が今のようになってしまったかということです。昔の火星にはもっと濃い大気があったのかもしれません。でも、火星の大きさは地球よりずいぶん小さく、重力は地球の3分の1しかありません。重力がとても弱いのですね。だから、大気をずーっとつなぎ止めておくことができなかったのでしょう。火星の重力を人工的に変えることは不可能ですね。とすると、いくらテラフォーミングをしても、やがてまた今の火星にもどってしまうことになります。火星の在住期間はけっこう短いものとなってしまうのかもしれません。よくよく先を見据えてからでないとこの計画は人類にとってかえって命取りになるのでは・・・と思ってしまいます。地球も火星も失った人類の行き先はいまのところめぼしさえついていないのですから。