ヒギヌス谷~トリスネッカー谷

 2002年8月30日3時22分
35cmシュミットカセグレン望遠鏡
LA26mm
ニコンクールピクス990
 コリメート撮影

ホワイトバランス  太陽光

 中央の入江と蒸気の海にはさまれた、ゴツゴツした山塊の合間・・・溶岩の海に走るいくつもの谷。谷というより亀裂と言った方が正確でしょう。「へ」の字にみえる谷はヒギヌス谷と呼ばれ、真ん中に周壁のないひょうたんみたいな形をしたヒギヌスクレーターが見えています。望遠鏡でよく観察してみるとこの谷自体がところどころブツブツとしていて、小さなクレーターの連なりであることがわかります。どうやらこの谷は月面に走った亀裂に、地下からの火山性の噴火が重なってブツブツした谷になったらしいのです。クレーターといえば隕石衝突によるものという考えが一般的ですが、このような火山性のものもあるようです。南(上)には別の谷、トリスネッカー谷が見えています。細溝の集まりで、南北の全長はおよそ200kmほどあります。月に存在する谷は、地球上の谷のように浸食作用によるものではなく、内因的な要因によるものが一般的といえるんですね。