球状星団の老齢なる青い星

 球状星団というと「老齢な星の大集団」ということで、銀河のハローに銀河の誕生の頃から存在し、あるものは宇宙年齢より古いという見積もりがなされて、その矛盾が話題になったりしています。そんなに古いなら、星の末期の姿である赤色巨星ばかり、つまり赤い星ばかりで良さそうなものですが、実際に撮影して写真にしてみるとそうでもないのです。

35cmシュミットカセグレン(レデューサー f 2130mm)+キヤノン EOS kiss D にて撮影
3分露光を3枚コンポジット合成(加算平均) ISO1600 ホワイトバランス  オート UIBAR&NRF-JPNフィルター

 どうも、青い星も多い・・・これが事実です。この、画像はペガスス座にある球状星団M15ですが、たしかに赤色がかった色の星が多いのですが、青色がかった色の星も混在していることがわかります。もうちょっと、分かりやすくなるように色彩を強調した処理をしたのが、下の画像です。

 球状星団では多くの星々が極度に密集していることは明らかです。こうした星々がニアミス起こした際、相手の星の外層を奪い取って巨大化した星が、若返ったように青色に輝くということが知られています。また、衝突によっても巨大化して、青色に輝くことになります。

 

 「球状星団=赤色」という図式は、単純には成り立たないということがわかります。