M27亜鈴状星雲の構造

 太陽系の未来・・・それは惑星状星雲・・・というと、なんだかちょっとさびしい気もしますが、仕方ありません・・・科学的事実なのであります。代表的な惑星状星雲のひとつでもあるM27亜鈴状星雲の内部構造が分かるように強調処理をした画像を見ていると・・・

35cmシュミットカセグレン(F7)&EOS kiss D
UIBAR&NBN-PVフィルター
ISO800&10分露出(6枚コンポジット)

 なにか中心から放射状にもくもくと赤い雲が広がっているように見えます。中心星からの強い放射圧も感じさせてくれます。奥行きが感じられるので、立体構造を想像しながら下図のようなモデルを考えてみました。

 中心星から放出されたダストを含んだガスが、膨張しながら中心星からの紫外線の放射を受けて電離し光っている・・・つまり、中心星である白色矮星からものすごいエネルギーを受けていることになります。ダストによって紫外線がさえぎられ影になったところは、電離されないので光ることなく暗黒のシルエットです。星の最期といっても、パルサーやブラックホールに比べ、白色矮星には死に絶えて冷えていくだけの静かなイメージがあります。しかし、実際はまだまだとても高温で太陽よりはるかに熱く、強烈な紫外線を発しています。

 この画像を見ていると、どうやら白色矮星や惑星状星雲に対するイメージを動的なものに変える必要がありそうです。