球状星団

 100万個ほどもの星たちがたった数10光年程度の範囲に丸く密集している天体、望遠鏡でながめると微星がチリチリと明滅しているかのように美しく輝いている天体、宇宙初期の銀河形成時に生まれた長寿の星たちの大集団・・・それが球状星団である。球状星団は銀河ハローを包みこむように広く分布している。宇宙初期の重元素の少ない時期に生まれたのだから、当然星たちに含まれる重元素の量も少なく、種族Ⅱとよばれる星たちから構成されている。重元素が少ないということは、岩石や金属を構成する元素が少ないということだから、星数が多い割には惑星系は少ないであろうと思われるし、したがって知的生命体が存在する可能性も低いであろう。  

 

 しかし、銀河中心のバルジ部で生まれた球状星団に限っては重元素量が多いらしい。これは、バルジ部では銀河系形成の初期にガスの密度が高く星生成が活発だったため、早い時期に多くの星たちが死をむかえ大量の重元素をまき散らした結果であると考えられている。したがって、こうした球状星団の星たちは惑星系をもち、時間的にも非常に長い時間が経過しているのだから十分に進化した知的生命体ETが存在する可能性も高いのではないだろうか。

 

 以前、アメリカのアレシボ電波天文台にある直径300mのパラボラから、約2万光年かなたにあるヘルクレス座の球状星団M13に向けて電波を発信し、その返事を待っているという。もしETが存在し、うまくその返事が送られてきたとしても、往復で約4万年後のことである。そのとき、この地球文明はどのように存在しているのだろうか。