星の兄弟

プラネタリウムみたいな星空!?

 みなさんはプラネタリウムを見に行ったことがありますか。ある時、山に天体望遠鏡を持っていって駐車場のかたすみで星の観察をしていたら、何人かの若者が車でやってきて星空を見上げるなりこう言いました。「わあ!すごい!プラネタリウムみたい!」・・・そう、たしかにその日はプラネタリウムみたいなすばらしい星空だったのですが、なんだかちょっと変だなと思いました。本当の星空はプラネタリウムよりもっともっとずごいのです。

星空の正体

 本当の星空とはいったいどんなものなのでしょうか。肉眼ではたしかにプラネタリウムのようです。しかし、双眼鏡や望遠鏡を使えば、肉眼では見ることのできなかった遠くの星たちがたくさん見えてきます。星空というのは無限ともいえる奥行きをもった世界なんですね。

星たちは100人兄弟!

 みなさんは何人兄弟ですか。双眼鏡で夜空を探検していると、ときどきぼんやりした光にめぐり会うことがあります。望遠鏡を使って拡大するとたいていは星の大集団・散開星団です。たくさんの星がほぼ同時に生まれ、成長しているところです。100人兄弟というのもめずらしくありません。星たちは一気に大量に生まれ、やがて成長して旅立っていく・・・プラネタリウムでは見ることのできない世界です。

今ではひとりぼっちの太陽も・・・

 私たちの太陽も46億年の昔、銀河系のかたすみでたくさんの兄弟星とともに生まれたのでしょう。でも地球などたくさんの惑星をしたがえて一人前の星になった今、太陽はひとりぼっち・・・ちょっとさびしい気もしますね。しかし、そんなことを考えながら星空を観察していくと、時間と空間が頭の中に広がっていくんですね。