宇宙ゴミ

スペース・デブリ

 望遠鏡を使って天体を観察していると、視野のなかをときどき横切るものが2種類あります。ひとつはヒューっと一瞬に横切るもの、もうひとつはトコトコと歩くようにゆっくりと横切るもの・・・前者は一瞬ラッキーと思ってしまうのですが、後者はどうもあまりうれしくありません。そう、一瞬の速いやつは望遠鏡でしか見えない暗く小さな流星、まず地上にまで落ちてくるはずもありません。でも、トコトコゆっくりのやつは、きっとスペースデブリといわれる宇宙ゴミでしょう。かすかな小さなものも最近は見るチャンスが多いように思います。

宇宙開発70年の産物!?

 人類が宇宙開発を始めてからざっと50年・・・この間にたくさんの人工衛星が打ち上げられ、そして使われなくなっていった衛星の多くは残骸になって地球の周りをただよっているといわれています。こわれた部品なんかもいまだにただよっているらしいのです。小さなものまで含めると、その数は何万とも何10万ともいえるでしょう。

時速3万kmのゴミ

 ただよっているためには何が必要でしょうか。止まっていたらニュートンのリンゴとおなじことですぐに地球に落ちてきてしまいます。そう、ものすごい速さで動いている必要があります。その速さたるや時速3万キロ、秒速にして8キロくらいあるのです。しかも、その数は増えていく一方です。

宇宙旅行ままならぬ時代・・・

 永遠に人類が存続していくめには・・・地球環境を大切にすることはもちろんですが、宇宙進出が人類の夢。やがて地球以外の惑星へ、そしてさらなる宇宙へ進出いくことでしょう。なぜなら、太陽につまり太陽系に寿命があるからです。そう考えるとこの宇宙ゴミは気になってしまいます。1個でも当たれば、宇宙船を破壊する可能性があるからです。このまま増えていったら、あぶなくて宇宙旅行や宇宙進出どころではなくなってしまうでしょう。

未来の戦争・・・

 人類の歴史に戦争が宿命的につきものだとすると、未来の戦争はいったいどう戦われるのでしょうか?偵察衛星なるものが飛び交う時代・・・偵察衛星を攻撃する衛星なんかも飛び交うようになるのでしょうか。宇宙がますます身近になるこれからの時代・・・もし、宇宙が戦場になるようなことがあったら・・・宇宙は回収のできない宇宙ゴミだらけになってしまうでしょう。戦争というものがあるかぎり、たとえそれが核戦争でなくとも、やはり人類は永遠には存続できないような気がします。