惑星状星雲中心の白色矮星は超高温!

 白色矮星は死んでしまった星の姿で、冷えていくだけの・・・という説明がよくあります。なんとなく、冷たくなっていくだけのさびしい存在という感じであります。でも、惑星状星雲中心の白色矮星はどうなのでしょうか。たしかに、星が終焉を迎えて吹き出したガスが惑星状星雲で、その中心にある死んでしまった星が白色矮星です。しかし、そのガスを電離し光らせているのは、まぎれもなくその中心星である白色矮星からの強烈な紫外線であります。

 太陽の50億年後の姿も同様で、そのとき太陽は電子の縮退圧と呼ばれる特別な圧力で支えられた地球ほどの大きさの白色矮星になります。太陽の直径は地球の109倍ですから、体積比にしておよそ100万分の1になってしまうことになります。そして、このできたての白色矮星は、急激に縮んでしまったために“超高温状態”になるのでしょう。そして、強烈な紫外線を放ち、すでに放出し終えたガスの原子が電離され発光することで、太陽系は惑星状星雲として輝いていることでしょう。その証拠に、惑星状星雲中心の白色矮星は青いのです。黒体輻射の原理から高温の星ほど青いことは良く知られていますが、下の写真(太陽系に最も近いとされる惑星状星雲NGC7293)では明らかです。

NGC7293

2007年9月9日 

35cmシュミットカセグレン(レデューサー f 2485mm)+キヤノン EOS kiss D にて撮影

15分露光×4(加算平均) 

ISO1600 

UIBAR&NBN-PVフィルター

 白色矮星ではなく“青色矮星”とでも呼びたくなります。確認の意味で、元画像も調べてみたのが下の画像です。CMOSセンサー直前のローパスフィルターを除去し、UIBAR&NBN-PVフィルターで撮影したため、全体に赤みがかった画像になっているにもかかわらず、やはり青いのです。これでは、超高温と考えるしかありません。

ダーク減算・コンポジット後の元画像の一部(拡大率は上の画像の3倍)

矢印のところにあるのが中心の白色矮星・・・青いです。

 現在では、白色矮星にもいろいろなものが存在することが分かってきているようです。一般に、できたての白色矮星は高温で青く、だんだん冷えていくにしたがって白っぽくなり、さらに冷えきっていずれは黒色矮星となって見えなくなってしまうのでしょう。

 惑星状星雲の白色矮星・・・まだまだ元気なようです。