M104ソンブレロ銀河の構造

 おとめ座にあるM104ソンブレロ銀河・・・メキシコのソンブレロという帽子に似ていることから、こう呼ばれています。大きなバルジをもつ、均整のとれた美しい姿の銀河であります。

35cmシュミットカセグレン望遠鏡
レデューサー
合成焦点距離2485mm(F7)
露出15分を6枚コンポジット合成(加算平均)
キヤノンEOS kiss D
ISO1600

ホワイトバランス  オート
UIBAR&NRF-JPNフィルター

 ・・・という具合にけっこう美しいのであります。でも、この銀河の中心には巨大なブラックホールが潜んでいるらしいのです。一説によれば、太陽の10億倍もの質量を持った超巨大ブラックホール・・・きっと、強烈なエネルギーを放射していることでしょう。暗黒帯のようすから、真横からではなく少し傾いた方向からながめているので、中心付近にダストが少なければ強烈に明るく輝いているはずです。また、円盤部は外側と内側の大小2つの円盤から構成されているともいわれています。

 こうした構造は、上の“美しい”画像からは分かりません。しかし、ダーク減算・コンポジット(加算平均)後の元画像をモノクロモードにし、レベル調整をしただけで、構造の“分かる”画像ができあがりました。

たしかに・・・
①中心部が極端に明るい。
②大小円盤の区別がつく。

 天体の明るさ(可視光強度)がそのまま反映されているという意味では、画像処理をしない画像の方が、観測データとしては価値があったりするわけです。

 

※ブラックホール自体は、光をも吸い込んでしまうので見ることはできません。しかし、ブラックホールに吸い込まれていく物質が高エネルギー状態になり、さまざまな電磁波を強烈に放出するため観測されるのです。